節分に恵方巻きを食べるのは何故?由来や意味、正しい食べ方など
本日2月2日は「節分」の日です。
節分といえば家族もしくは友人と「鬼は外!福は内!」と豆をまく「豆まき」のほかに、「恵方巻き」を食べる文化で知られています。
豆まきは見ての通り不吉の象徴である鬼を追い払い、福を呼び込んで一年の無病息災を願うという意味合いがありますが、恵方巻きについては具体的にどういった意味があるのかを理解している方は多くないかもしれません。
なんとなく恵方巻きを食べれば縁起が良いらしい……ぐらいの認識で、深く考えていない方が大半ではないでしょうか?
今回は、そんな恵方巻きの由来や意味、食べ方のマナーなどについて解説したいと思います。
恵方巻きの文化の由来とは?
節分に恵方巻きを食べる文化の歴史については諸説ありますが、幕末から明治時代にかけて大阪を中心に「商売繁盛の願掛け」として行われたのが始まりという説が有力視されています。
また、他には大阪の商人が海苔を多く売りさばくために(販売促進のために)人づてに広めた文化だという説もありますが、いずれにせよ大阪もしくは関西が起源であることは濃厚でしょう。
(バレンタインデーはお菓子業者が広めた文化だという説と似ていますが……これでは夢がないですね)
元々大阪は「なれ寿司」の伝統が根強く、商売人の間ではもちろんのこと一般市民にも広くお寿司の食文化が親しまれていたことが、恵方巻きのルーツとなった要因だとも考えられています。
恵方巻きの文化が全国に普及した理由
上記で述べた由来の通り、もともとは関西の限られたエリアで始まった文化だという説が濃厚な恵方巻きですが、今では日本中どの地域でも「節分には恵方巻きを食べる」という慣習が広く定着しています。
このきっかけは、1989年(平成2年)に広島県のセブンイレブンが太巻き寿司(恵方巻き)のキャンペーンセールを実施したことだとされています。
当時のセブンイレブンのとある担当社員が「大阪では節分に太巻き寿司を食べる文化があるらしい」という情報を耳にし、それをセブンイレブンの販売促進に導入したそうです。
当時はまだ「恵方巻き」という呼称は浸透していませんでしたが、1998年頃より大手ショッピングモールのイオンが「イオンの恵方巻き」として全国展開したことで、節分に太巻き寿司を食べる文化と共に、急速に日本中へと広がっていったのです。
そもそも「恵方」とはどういう意味か
恵方とは、歳徳神と呼ばれる福徳をつかさどる神様のいる方角のことをいいます。
この歳徳神のいる方角に向かって行なう儀式は縁起が良いとされており、初詣のお参りなどの行事のみならず、日常の様々な行為を恵方に向かってすることが縁起担ぎとして古くから伝わってきました。
そのため、節分に太巻き寿司を食べる文化も恵方に向かって食べるのがよいとされ、これが恵方巻きという呼称の由来となっています。
恵方とはどの方角か?
恵方の意味はわかっても、その恵方が指す方角とはどこなのかを知らない方も多いでしょう。
それもそのはずで、恵方つまり歳徳神様のいる方角というのは毎年変わるからです。
その恵方の方角の決め方というのが、その年の「十干」です。
日本では暦(年代)ごとに一定の周期で十干十二支(干支)と呼ばれるものが割り振られており、例えば今年2021年は「辛丑(かのとうし」、昨年2020年は「庚子(かのえね)」となっています。
「辛丑(かのとうし)」の場合、十干が「辛(かの)」で十二支が「丑(うし」と覚えておきましょう。
そして、恵方は十干が「甲・己」の年が東北東、「乙・庚」の年が西南西、「丙・辛・戊・癸」の年が南南東、「丁・壬」の年が北北西と決まっています。
でも十干は現代に馴染みのない言葉ですから、これを頭で理解するのは難しいですよね。
しかし恵方の法則は西暦の1の位で知ることができます。
西暦の1の位 | 恵方の方角 |
---|---|
0・5 | 西南西 |
1・3・6・8 | 南南東 |
2・7 | 北北西 |
4・9 | 東北東 |
つまり、今年2021年の恵方は南南東です。
恵方巻きの食べ方とは?
では最後に、恵方巻きを食べる際に注意したいマナーについて紹介しましょう。
恵方を向いて食べる
先ほどお話しした恵方の意味を知れば、これは言うまでもないでしょう。
一年の福徳をつかさどる歳徳神様への願掛け、祈りを意味する行事ですから恵方の方角を無視して食べる行為には何の意味もありません。
節分の際には、上記の表を参考にその年の恵方の方角を調べておいてくださいね。
恵方巻きを切り分けてはいけない
スーパーやデパートで売られている恵方巻きは大きなサイズのものが多く、特に子どもや女性には量が多すぎると包丁で切り分けてしまう方もいるかもしれません。
しかし、本来は恵方巻きは1人1本を食べきるのが良いとされ、包丁などで切ってしまうと「福を切る」「縁を切る」という意味で縁起が悪いといわれています。
どうしても食べきる自信が無い方は小さなサイズの恵方巻きを買うか、あるいは好きな用量で自作するのも手でしょう。
食べながら話すのはご法度
これは恵方巻きに限らず食事作法全般の問題ですが、食べている最中は喋らず無言で食べきるのがよいとされています。
マナーとしてはもちろんのことですが、恵方巻きから口を離してしまうと福を逃してしまうという考えから、一気に食べきるのが吉です。
とはいえ、無理に頬張って喉を詰まらせないように特に小さな子どもに食べさせる場合は十分に注意しましょう。
願いごとを頭に浮かべながら食べると吉
先述した通り恵方巻きは歳徳神様への願掛け、祈りの儀式でもあります。
そのため何も考えずに食べるよりは、商売繁盛や無病息災、家庭円満などの願いごとを頭に思い浮かべながら食べるのがよいとされています。
この願いごとには特にルールやマナーというものは存在しません。
想い人と結婚したい、会社で出世したい、受験に合格したい、サッカー選手になりたい……等、あなたなりの真剣な願いを祈ってみて下さい。
まとめ
日本人なら誰もが馴染みのある行事なのに、意外と知らないことも多い恵方巻きの文化。
節分そして恵方巻きは一年の福を授かるために非常に重要な意味合いを持つ行事です。
今年という年を明るく楽しく過ごすために、改めて恵方巻きの意味を噛み締めながら、ご家族やご友人と一緒に恵方巻きにかぶりつきましょう!
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