子ども(乳児)の歯ぎしりの原因は?医師の診断が必要な場合も?

子ども(乳児)の歯ぎしりの原因は?医師の診断が必要な場合も?

歯の生えたばかりの子どもが歯ぎしりをしているのを見て、「大丈夫かな」と不安に思ったことはありませんか?
大人の歯ぎしりなら「うるさいなあ……」と軽く流せるかもしれませんが、小さな子どものこととなれば話は別。

ストレスを感じているのではないだろうか…、何か病気のサインなのでは…等、考えだしたらキリがないですが、実は子どもの歯ぎしりは意外とよくある話で、ほとんどの場合深刻な事態ではありません。

そこで、当記事では子どもの歯ぎしりについて解説したいと思います。

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子どもの歯ぎしりはいつ頃から始まる?

ベッドに寝転がる赤ちゃん
子どもの歯ぎしりは、ちょうど乳歯が生えはじめる時期に多く見られる傾向にあります。
乳歯が生える時期は生後6~10ヶ月頃が目安となっており、個人差はあれど1歳の誕生日を迎える前には一度は歯ぎしりをする時期を迎えることが多いです。

また歯ぎしりの時間帯についてですが、大人のように就寝中に限らず子どもは日中の起きている時間でも歯ぎしりをします。
「寝ている時ならまだしも、起きている時にまで歯ぎしりをするなんて異常のサインなのでは……?」と心配する必要はありません。

なお、この子どもの歯ぎしりは2歳~2歳半頃まで続くのが一般的とされています。
これも個人差があるので中には3歳を過ぎても歯ぎしりが続く可能性もありますが、後述する健康的問題がなければ特に問題ないでしょう。

子どもが歯ぎしりをする原因・理由とは?

子どもの歯
さて、気になる子どもの歯ぎしりの原因や理由についてですが、大人のように精神的ストレスに起因するものではなく、「生えはじめた歯の噛み合わせを整えるため」といわれています。
また、顎の位置を調整したり筋肉を鍛えたり等のメリットもあり、口周りの発達に重要な意味を持っているため、むやみに歯ぎしりを止めさせるのは却って良くない場合もあります。

また、歯の生えはじめは口の中にムズムズとした違和感が生まれるため、それを誤魔化すために行なっているものとも言われています。

子どもの口内を適度に観察しよう

歯科の治療を受ける子ども
上記のように、子どもの歯ぎしりは基本的に歯や顎の発達のために大切な行為であり、決してネガティブな話ではありません。
しかし、あまりにも歯ぎしりが続くと不安に感じる方も多いかと思います。
そういう方は、こまめに口の中を観察してあげましょう。

乳歯はいずれ生え変わるものなので、多少欠けたるすり減ったりしている程度であれば大きな問題ではありませんが、場合によっては後述する健康上の問題が生じるケースもあります。
基本的に歯ぎしりは多くの子どもに見られる自然な現象ですが、度が過ぎる場合は医師の診断および治療が必要となることもあるのです。

こんな場合は注意が必要!

もし、子どもの歯ぎしりについていかのような現象・傾向が見られるようであれば、一度歯科医に相談の上診断を受けてみた方がよいかもしれません。

大きくなっても歯ぎしりを止めない

前述の通り、子どもの歯ぎしりは自然に発生し、成長するに従っていずれは落ち着くものです。
個人差があるため一概には言えませんが、2歳半~3歳を過ぎる頃には歯ぎしりも収まるかと思います。

しかし、4歳・5歳を過ぎてもなお歯ぎしりをやめない場合は、その行為そのものがクセになっているかもしれません。
歯の位置を調整したり顎を鍛えたりするというメリットのある歯ぎしりも、あまりに長く続くと歯が傷んてしまいますし、度を過ぎれば日常生活にも支障をきたしてしまいます。
また、生活環境の変化などがあれば、それが原因で強いストレスを感じて歯ぎしりをしてしまうという可能性も考えられます。

何より、同居する家族がその歯ぎしりの音にいつまで我慢できるかを考えれば……一度は歯科医の診断を受けた方が良いかと思われます。
対応としては、病院によりけりですがマウスピースを使ったりコーディング剤を塗ったりなどで歯ぎしりを予防したり、歯へのダメージを抑えてくれます。

口の中に出血が見られる

生えはじめた歯は意外ともろく、そして子どもの顎の力は意外と強いもの。
そのため、歯ぎしりが長く続くと歯が欠けてしまうことも珍しくありません。

歯が欠けてしまうこと自体はさほど大きな心配はいりませんが、問題は欠けた歯のかけらが口の中に残ってしまうと、それが口内を傷つけてしまう可能性があるということ。
口の中の出血はすぐに収まるため、少量であれば見過ごしても大丈夫ですが、あまりにも出血の量や頻度が多すぎる場合は歯科医の診断を受けましょう。

出血だけならまだしも、口内の傷にバイキンが入ることで炎症を起こすこともあるからです。

まとめ

子どもの歯ぎしりは決して珍しい現象ではありません。
だいたい20~30%の子どもが乳歯の生えはじめの頃に歯ぎしりをする習慣が身につくといわれています。

特に一人目の子どもだとお母さんは「うちの子は大丈夫なんだろうか」と些細なことでも不安になってしまうもので、大人の歯ぎしりのようにストレスを起因とした行為ではないかと考えても無理はありません。

もちろん、ストレスが原因のケースもあるため100%心配は無いと断言できるものではありませんが、殆どの場合は「成長に伴う自然な行為」に過ぎないと知っておけば、少しは子育ての精神的負担も軽減されるのではないでしょうか?

ただし、上記で挙げたように子どもの口内は注意深く観察し、傾向や状態に異常が見られればすぐに歯科医の診断を受けることが大事です。
大切なお子様の大切な歯を、大事にしてあげてくださいね!