世の中に数多くある相続専門税理士を探すなら、不動産に強い事務所を!
- 2026.08.24
- 税金・法律
相続が発生したとき、「相続税に詳しい税理士を探したい」と考える方は少なくありません。
現在ではインターネットで「相続専門 税理士」「相続税 税理士」と検索すると、数多くの税理士事務所が見つかります。「相続専門」「相続に強い」「相続税申告実績多数」といった言葉を掲げる事務所も多く、どの税理士に依頼すればよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そんな中で、相続税申告において特に注目したいのが「不動産に強い税理士かどうか」というポイントです。
なぜなら、相続財産の中でも不動産は評価方法が複雑であり、同じ土地や建物であっても、状況や評価方法によって相続税額に大きな差が生じる可能性があるためです。
預貯金であれば、基本的には残高を確認することで財産額を把握できます。一方で、土地の場合は、単純に「近所の土地がこれくらいで売られているから」という方法で相続税評価額を決めるわけではありません。
土地の形状や面積、道路との接し方、利用状況、周辺環境など、さまざまな条件を確認したうえで評価を行う必要があります。
そのため、相続税申告を依頼する際は、単に「相続専門」を掲げているかだけではなく、相続財産に不動産が含まれている場合、その不動産の評価にどこまで精通している税理士なのかを確認することが重要です。
この記事では、相続専門税理士を探す際に不動産に強い税理士事務所を選ぶべき理由や、不動産に詳しい税理士を見極めるポイントについて解説します。
相続財産に不動産があるなら、税理士選びは特に重要
相続税は、亡くなった方が残した財産の価額を計算し、その金額をもとに税額を算出します。
相続財産には、現金や預貯金だけでなく、さまざまなものが含まれます。
例えば、
- 現金・預貯金
- 上場株式・非上場株式
- 生命保険金
- 土地
- 建物
- 賃貸不動産
- 事業用資産
などです。
この中でも、不動産は相続財産全体に占める割合が大きくなることがあります。
特に、都市部に土地や自宅、賃貸マンション・アパートなどを所有している場合、不動産の評価額が相続税額に大きく影響することもあります。
例えば、相続財産が、
「預貯金1億円」
のみの場合と、
「預貯金3,000万円+不動産7,000万円」
の場合では、財産の評価に必要な専門性が大きく異なります。
預貯金は比較的金額を把握しやすい一方、不動産は「どのように評価するか」を適切に判断する必要があるためです。
そのため、相続税申告では、税理士によって土地評価の経験や得意分野に違いがあることを理解しておく必要があります。
不動産の相続税評価は「時価」だけでは決まらない
土地を相続した場合、「この土地はいくらで売れるのか」が気になる方も多いでしょう。
しかし、売却価格と相続税を計算するための土地の評価額は、必ずしも同じではありません。
相続税では、財産評価に関するルールに基づき、不動産の状況を確認して評価額を算出します。
土地については、一般的に路線価方式や倍率方式などを用いて評価します。
ただし、土地には一つとして同じ条件のものがありません。
例えば、
- きれいな四角形ではない
- 間口が狭い
- 奥行きが極端に長い
- 高低差がある
- 道路に接している部分が限られている
- 複数の道路に面している
- 建物や賃貸物件が建っている
など、それぞれの土地には個別の特徴があります。
こうした条件によって、評価の際に検討すべき内容が変わることがあります。
つまり、「土地を所有している」という事実だけではなく、その土地がどのような状態にあり、どのように利用されているかを詳しく確認することが重要なのです。
この部分に、不動産に強い相続専門税理士へ依頼する大きなメリットがあります。
「相続専門」なら、すべての税理士が不動産評価に強いとは限らない
「相続専門の税理士」と聞くと、相続税に関するすべての分野に詳しいイメージを持つかもしれません。
しかし、実際には税理士事務所ごとに経験している案件や得意とする分野には違いがあります。
例えば、
- 相続税申告を数多く扱っている
- 相続手続き全般のサポートを得意としている
- 相続人間の財産整理に詳しい
- 相続対策を中心に扱っている
- 不動産を含む複雑な相続案件を多く扱っている
など、同じ「相続専門」を掲げていても、事務所ごとに強みが異なる可能性があります。
もちろん、相続税申告の経験が豊富な税理士は、不動産評価についても一定の知識を持っているケースが多いでしょう。
しかし、相続税申告において特に複雑になりやすい不動産を多く扱っているかどうかは、別途確認しておきたいポイントです。
例えば、相続した財産のほとんどが預貯金や上場株式であるケースと、複数の土地や賃貸不動産を所有しているケースでは、求められる経験も変わります。
相続財産に不動産が多く含まれているのであれば、「相続税専門」という看板だけで判断するのではなく、不動産評価の実績や経験まで確認することが大切です。
不動産に強い税理士へ依頼するメリット
不動産に強い相続専門税理士へ依頼することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
土地ごとの状況を踏まえた評価が期待できる
不動産の評価では、土地の所在地や面積だけを確認して終わりではありません。
実際の土地を確認し、形状や周辺環境、利用状況などを踏まえる必要があるケースもあります。
不動産評価の経験が豊富な税理士であれば、資料上の数字だけではなく、その土地が持つ個別の特徴についても確認することが期待できます。
特に、複雑な形状の土地や、複数の用途が混在している土地などは、評価上の検討事項が多くなる可能性があります。
不動産の利用状況まで含めて確認しやすい
相続した不動産が自宅なのか、賃貸物件なのか、事業用なのかによっても、確認すべき内容は変わります。
例えば、
- 被相続人が住んでいた自宅
- 相続人が居住している土地
- 賃貸アパートやマンション
- 月極駐車場
- 事業用の土地や建物
- 複数の相続人が利用している土地
など、利用方法はさまざまです。
不動産に強い税理士であれば、単純に登記簿上の情報を見るだけではなく、実際の利用状況を踏まえて必要な確認を進めることが期待できます。
相続後の不動産活用まで相談しやすい
相続では、「相続税申告を終えたらすべて完了」というわけではありません。
相続した不動産について、
「誰が取得するのか」
「売却するのか」
「賃貸として運用を続けるのか」
「共有のままにするのか」
といった問題が残ることもあります。
もちろん、税理士が不動産売買の仲介を行うとは限りませんが、不動産に詳しい税理士であれば、税金の観点から選択肢を整理しやすくなります。
必要に応じて、司法書士、不動産鑑定士、宅地建物取引士など、他の専門家と連携している事務所であれば、相続後の手続きや不動産の活用について相談しやすいでしょう。
不動産評価で税額が変わる可能性がある理由
相続税を計算する際、財産の評価額が高くなれば、それだけ課税対象となる財産額も増える可能性があります。
そのため、不動産の評価が相続税額に与える影響は小さくありません。
ただし、ここで注意したいのは、「税理士に依頼すれば必ず相続税を大幅に下げられる」というわけではないことです。
税理士が行うべきなのは、法律や財産評価に関するルールに基づき、適切に評価を行うことです。
しかし、不動産の個別事情を十分に確認せず、画一的な方法で評価した場合、本来考慮すべき事情を見落としてしまう可能性があります。
例えば、土地の形状や利用状況などによって、評価上確認すべき事項が存在する場合があります。
そのため、「できるだけ税金を安くしてくれる税理士」を探すのではなく、「不動産の状況を丁寧に調査し、適切な評価を行ってくれる税理士」を探すことが重要です。
結果として、適正な評価を行うことで、必要以上に高い評価額で申告してしまうリスクを避けられる可能性があります。
不動産に強い相続専門税理士を見極めるポイント
では、数多くの相続専門税理士の中から、不動産に強い事務所をどのように探せばよいのでしょうか。
ホームページや初回相談の際には、いくつかのポイントを確認するとよいでしょう。
不動産を含む相続税申告の実績を確認する
まず確認したいのが、相続税申告の件数だけではありません。
相続税申告の実績が豊富であっても、その内容は事務所によって異なります。
そこで、
「土地を含む相続税申告をどの程度扱っているか」
「複数の不動産がある案件を扱った経験があるか」
「賃貸不動産の相続税評価に対応しているか」
などを確認してみましょう。
具体的な事例については守秘義務の関係で詳しく聞けないこともありますが、どのような案件に対応しているかを確認することは可能です。
土地の現地調査を行うか確認する
すべての土地で必ず現地調査が必要になるとは限りません。
しかし、土地の状況によっては、資料だけでは分かりにくい部分がある場合もあります。
そのため、依頼先の事務所が、
「必要に応じて現地確認を行っているか」
「土地の個別事情をどのように確認しているか」
といった点を確認することは有効です。
不動産評価について丁寧に説明してくれるかどうかも、税理士選びの参考になります。
不動産関連の専門家との連携体制があるか
相続不動産では、税金だけではなく、さまざまな問題が関係します。
例えば、相続登記は司法書士、土地の適正な価値に関する専門的な判断が必要な場合は不動産鑑定士、不動産の売却では不動産会社など、他の専門家が関わることがあります。
そのため、
- 司法書士
- 不動産鑑定士
- 不動産会社
- 弁護士
などと連携できる体制があるかどうかも確認ポイントの一つです。
複雑な相続案件では、税理士だけですべてを解決できるとは限りません。
必要な場面で適切な専門家と連携できる事務所であれば、相談から相続後の手続きまでスムーズに進めやすくなります。
初回相談で土地について具体的な質問をしてくれるか
初回相談では、税理士側からどのような質問をされるかも確認してみましょう。
不動産に関心を持っている税理士であれば、
「土地は何筆ありますか?」
「ご自宅以外の不動産はありますか?」
「賃貸物件はありますか?」
「土地は誰が利用していますか?」
「駐車場や貸地はありますか?」
など、不動産の状況を確認する質問が出てくることがあります。
もちろん、初回相談だけで税理士の実力をすべて判断することはできません。
しかし、相続財産の全体像を把握しようとしているか、不動産について具体的に確認しようとしているかは、一つの判断材料になります。
「相続税に強い」だけでなく、自分の財産内容に合った税理士を選ぶ
相続税申告では、すべての人が同じ税理士を選ぶべきというわけではありません。
例えば、相続財産のほとんどが預貯金や金融資産であれば、不動産評価に特化した専門性を最優先する必要性は比較的低いかもしれません。
一方で、
- 複数の土地を所有している
- 都市部に土地がある
- 賃貸アパートやマンションを所有している
- 土地の形状が複雑である
- 自宅以外にも不動産がある
- 土地の利用方法が複数ある
といった場合には、不動産に関する経験が豊富な税理士を選ぶ重要性が高まります。
つまり、税理士選びでは、
「どの税理士が一番有名か」
「相続専門と書いてあるか」
だけで判断するのではなく、自分が相続する財産の内容と、その税理士の得意分野が合っているかを見ることが大切です。
相続税申告を急いでいる場合でも税理士選びを急ぎすぎない
相続税には申告・納付の期限があるため、相続が発生した後、早めに税理士へ相談することは重要です。
しかし、焦って最初に見つけた税理士事務所へすぐ依頼する必要があるとは限りません。
特に相続財産に不動産が多く含まれている場合は、複数の税理士事務所へ相談し、
- どのような流れで相続税申告を進めるのか
- 不動産についてどのような資料が必要なのか
- 土地の評価をどのように確認するのか
- 料金体系はどのようになっているのか
- 誰が実際に担当するのか
といった点を比較することも大切です。
税理士によって説明の仕方や対応範囲、専門性には違いがあります。
相続税申告は、一度提出すると終わりではなく、後から内容について確認が必要になる可能性もあります。
だからこそ、「話しやすそうだから」「料金が安いから」といった理由だけではなく、専門性や対応内容を総合的に見て判断することが重要です。
不動産に強い税理士は、相続後の相談先としても頼りになる
相続では、税金の計算だけではなく、その後の不動産をどうするかという問題も発生します。
例えば、
「実家を相続したが、住む人がいない」
「兄弟姉妹で土地を相続することになった」
「賃貸マンションを引き継ぐべきか売却すべきか迷っている」
「将来の相続に備えて、今のうちに不動産を整理したい」
といった悩みです。
こうした問題では、税金だけを見て判断すると、将来的な管理や相続人同士の負担まで考慮できない場合があります。
不動産に関する知識や専門家とのネットワークを持つ税理士であれば、税務面から選択肢を整理しながら、必要に応じて他の専門家につなぐことも期待できます。
相続税申告だけを目的として税理士を探すのではなく、「相続した不動産について、その後も相談できる専門家か」という視点を持つことも、税理士選びでは重要です。
まとめ
世の中には「相続専門」「相続税に強い」と掲げる税理士事務所が数多くあります。
しかし、相続税申告の内容は、相続財産によって大きく異なります。
特に土地や賃貸物件などの不動産を多く所有している場合、不動産の評価が相続財産全体や相続税額に大きく影響する可能性があります。
そのため、相続専門税理士を探す際には、単に相続税申告の件数だけを見るのではなく、
- 不動産を含む相続案件の経験があるか
- 複雑な土地の評価に対応しているか
- 必要に応じて現地の状況を確認しているか
- 不動産関連の専門家と連携できるか
- 相続後の不動産についても相談しやすいか
といった点を確認することが大切です。
相続税に強い税理士を探すことは重要ですが、不動産を所有している方にとっては「不動産にどれだけ強いか」まで確認することで、より自分の状況に合った税理士を選びやすくなります。
相続は、一人ひとり財産の内容や家族構成、不動産の状況が異なります。「相続専門」という言葉だけで判断せず、自分の相続財産の内容を理解したうえで、その分野に強みを持つ税理士を探すことが、納得できる相続税申告につながるでしょう。
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