猫の寝相や座り方に見る感情のサインとは?画像でわかる8つの事例
愛玩動物として高い人気を誇る猫ですが、犬に比べると気まぐれでマイペースな性格の子が多いだけに「何を考えているのかわからない」と悩んでしまう飼い主さんも多いでしょう。
しかし、一見無表情で掴みどころのない、そんな猫にも様々な喜怒哀楽のサインがあります。
やはり飼い主としては愛猫の気持ちを深く理解したいところですよね。
そこで見ておきたいのが「寝相」と「座り方」です。
今回は、猫の寝相と座り方から読み取れる猫の感情・喜怒哀楽について解説していきたいと思います。
寝姿(寝相)に見る猫の感情
猫の語源は「寝る子」から来ているという説もあるほど、猫は一日の大半を寝て過ごします。
一般的な猫の平均睡眠時間は1日12~16時間といわれており、飼い主も猫の寝姿を見る機会が非常に多くなるかと思います。
さて、そんな猫の寝相からは「いかにリラックスしているか」をうかがい知ることができます。
仰向け(ヘソ天)
仰向けの姿で寝ている状態、いわゆる「ヘソ天」と呼ばれるこの寝相は非常にリラックスしていることの証で、飼い主を深く信頼しているサインでもあります。
猫に限らず野生の動物は、敵に対して急所であるお腹を見せることは「服従」「降伏」を意味し、捕食されることを覚悟しての行動になります。
そのため、野生の動物にとって睡眠時にこのような姿を見せることは自殺行為に等しく、外敵に襲われる危険性のある野生ではまず見られないのです。
そして家で飼われている猫でも、飼い主や家に対して警戒心や不安が残っている場合は、仰向けで寝ることはなかなかありません。
つまり、仰向け(ヘソ天)は飼い主のことを敵ではなく心から信頼できる仲間だと認識し、外敵に襲われる心配がない環境だと信じているからこその寝相だといえるでしょう。
目を隠す(ごめん寝)
うつ伏せの状態で顔を前足に埋める、通称「ごめん寝」と呼ばれるこの姿勢ですが、実は「部屋が眩しくて安眠できない」というサインなのです。
窓から射す日光や、部屋の照明の光が強すぎるため前足で光を遮っているのです。
ごめん寝の姿勢のほかに、仰向けの状態で前足を目の上でクロスさせる寝相も見たことがあるかと思いますが、これも同じく光が眩しいために見せる仕草です。
元々猫は夜行性の動物なので、人間よりも光を多く吸収できる目を持っています。
そのため飼い主にとっては特に気にならない照明であっても、睡眠をとりたい猫にとっては光が強すぎて気になってしまうのでしょう。
その寝姿は非常にキュートで思わずいつまでも眺めていたくなりますが、猫からすれば安眠を阻害されて苦しい状態なので部屋の照明を弱くするか、毛布などをかけてあげるか、あるいは暗い部屋に連れて行ってあげるか等配慮してあげてくださいね。
体を丸くする(アンモニャイト・ニャンモナイト)
まるでアンモナイトのように渦巻き状に体を丸めて寝る姿も、猫ならではの愛らしい寝相ですね。
通称「アンモニャイト」「ニャンモナイト」とも呼ばれるこの寝相ですが、これは寒さから身を守るための姿勢だといわれています。
体全体を丸くすることで、冷やしてはいけない腹部を覆い隠し、前足や後ろ足も体の内側に入れて暖をとっているのです。
猫は人間よりも寒さに敏感で、目安として気温が15度を下回るとこの寝相をとるようになります。
普段は違う寝相なのに、秋冬にかけてこういった寝相をとるようになった場合は暖房をつけてあげるなどして猫にとって快適な温度に調整してあげて下さい。
ただし、猫にとっては単に「丸くなる体勢が落ち着くから」という理由で、寒くない夏場でもこの寝相になることもあります。
飼い主にお尻や背中を向ける
飼い主にお尻や背中を向けて寝ている場合、これも「仰向け(ヘソ天)」と同様に飼い主を信頼している証とみていいでしょう。
なんとなく人間基準で考えると「そっぽ向かれている」「舐められている」と捉えてしまいがちですが、例えば母猫と一緒にいる時の仔猫は、母猫の方にお尻や背中を向けて寝ることが多いです。
これは自分の視覚に入らない背後を安心して任せられるという意味で、敵対心や警戒心を持つ相手に背中を向けることはありません。
決して嫌われているわけでも舐められているわけでもなく、飼い主のことを心から信頼している(敵ではないと判断している)からこその仕草だと覚えておきましょう。
座り方に見る猫の感情
次は、猫が起きている時の「座っている状態」から読み取れる感情を見ていきましょう。
香箱座り
香箱座りとは、前足と後ろ足を全てお腹の下に隠した座り方の意味で、その全体像がまるで四角い香箱のように見えることからこう呼ばれています。
この姿勢では万が一外敵に襲われた時に素早く動き出すことができないため、警戒心の強い野生の猫には見られない姿勢となっています。
つまり、この香箱座りをしている猫は「敵に襲われる心配がない」と安心している状態であり、飼い主のことを信頼している証でもあるのです。
スフィンクス座り
スフィンクス座りとは、上記の香箱座りとは対象的に前足を前に突き出した状態での座り方のことです。
この座り方は飼い猫のみならず野生の猫にも多く見られ、香箱座りの猫に比べると少々警戒心があり身構えている状態といえます。
ただし、前足をお腹の中にしまうのが窮屈なので敢えて前足を出しているだけ、という猫もいるためさほど気にする必要はありません。
例えば普段香箱座りの猫が来客等で知らない人間と遭遇した時にスフィンクス座りになった場合は、ちょっと警戒しているかも? と考えてもいいでしょう。
しっぽを巻く
しっぽを体の外周に沿って巻くような座り方もありますが、こちらもやや警戒心がある状態であるとされています。
敵対心というよりは、どちらかというと目立たないように体を縮こませているようなイメージになります。
ただし、こちらも「寒いからしっぽを巻いて暖を取っているだけ」というケースもあるので、「懐いていない」と決めつける前に部屋の環境を見直してみてもいいでしょう。
おじさん座り(スコ座り)
休日のお父さんのような、あまりにも脱力しきったこの姿勢に、思わずニンマリとした経験をもつ飼い主さんも多いのではないでしょうか。
スコティッシュフォールドに多く見られることから「スコ座り」とも呼ばれる座り方ですが、もはや言うまでもなく「警戒心ゼロ」の状態です。
仰向け(ヘソ天)と同じく、急所であるお腹を大胆に晒すこの体勢は、外敵がいる環境下ではまずあり得ません。
無防備過ぎるこのポーズは究極にリラックスしている証で、飼い主に対して一切の警戒心や敵対心を持っていないことを示しています。
まとめ
猫は犬と比べると表情や仕草からは喜怒哀楽が読み取りにくく、「安心してくれているのかな」「嫌われていないかな」等心配になることも多々あるかと思います。
しかし、寝ている姿や座り方から猫の思い、感情などを理解することができます。
かわいい愛猫とのコミュニケーションを円滑にするためにも、普段の何気ない寝相や座り方をしっかり観察して、適切な対応がとれるよう心がけてくださいね!
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