建設業で知っておきたい税務調査の内容と対策
- 2020.06.29
- 税金・法律
事業を営んでいく上で避けて通れないのが「税務調査」です。
税務調査とは、国税庁もしくはその管轄下にある国税局・税務局などから派遣された調査官が納税者の申告内容を帳簿などで確認し、不適切な点がないかどうかをチェックすることをいいます。
万が一記帳や申告内容に不備やミスがあれば指摘を受け、最悪の場合追徴課税などのペナルティを受けるリスクがあるのです。
また、税務調査の際には納税者、多くの場合は代表取締役などの経営者が立ち会い、調査官からの質問などに答えなければなりません。
そういった時に頼りになるのが税理士です。
今回は建設業での税務調査における税理士の重要性と、その税務調査のチェックポイント等を解説してまいりたいと思います。
建設業の税務調査は厳しい?
一般に、建設業は他の業種と比べても格段に不正計算・不正申告が多いといわれています。
地元対策費等が必要になるケースが多いことや、また利益を多く確保するために業者間で談合による受注調整を行う慣習があること、税法上損金と認められない費用が発生する可能性が高いこと等が理由として挙げられます。
そういった事情もあり、建設業を対象とした税務調査は非常に厳しい目で見られがちだということ、チェックされる対象も多いことを念頭に置いておきましょう。
建設業での税務調査のポイント
建設業での税務調査で見られるポイントの一つに完成工事高関係があります。
本来当期の利益に算入されるべき売上が正しく処理されているかどうかが基点となり、例えば法人税の兼ね合いで利益を翌年度に繰り越し計上したいがために、引渡しが完了した工事の売上を未検収等の理由で繰り延べていた場合は調査に引っかかります。
また材料の発注や設備への投資にかかる税金についても、納品書や請求書、固定資産台帳などの記帳に不正や間違いがないか事細かくチェックされます。
記入漏れがあれば、当然脱税の疑いもかけられるため本部経理あるいは顧問税理士との連携は最重要です。
さらに、建設業は外注が盛んに行われるため、こちらも不正申告の温床というイメージを調査官が抱いています。
一つの工事および製作を複数の外注業者に発注している場合は理由や必要性、外注単価等もしっかり説明しなくてはなりませんし、不正な利益調整による課税逃れが発覚すればペナルティの対象となります。
建設業に限った話ではありませんが、外注関係は不正申告が横行しているため、税理士と相談の上危険な橋は渡らないよう細心の注意を払いましょう。
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