【2026年最新版】社会福祉法人に求められる税理士のスキルとは?注意点は?
- 2026.09.09
- 税金・法律
社会福祉法人は、一般的な株式会社や合同会社とは異なるルールのもとで運営されているため、税理士を選ぶ際にも注意が必要です。
一般企業であれば「売上-経費=利益」という考え方を基本として経営状況を把握していくことができますが、社会福祉法人では、福祉サービスの種類や拠点、事業ごとの収支、公費・補助金、寄附金、施設整備など、さまざまな要素を考慮しながら会計を行う必要があります。
また、社会福祉法人には、社会福祉法人会計基準に基づく会計処理や計算書類の作成が求められています。厚生労働省の資料でも、社会福祉法人会計基準において資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表、注記、附属明細書、財産目録などについて定められています。
さらに、法人運営についても、理事会、評議員会、監事などによる一定のガバナンスが求められています。
そのため、社会福祉法人が税理士を選ぶ際には、単に法人税の申告ができる税理士を選ぶのではなく、社会福祉法人特有の会計・税務や、福祉事業の運営実態まで理解している税理士を選ぶことが重要です。
では、社会福祉法人に強い税理士には、具体的にどのような知識やスキルが求められるのでしょうか。
ここでは、社会福祉法人の税理士選びで確認したいポイントや、依頼する際の注意点について詳しく解説します。
- 1. 社会福祉法人はなぜ税理士選びが重要なのか
- 2. 社会福祉法人に強い税理士に必要なスキルとは
- 3. 補助金や公費に関する知識を持っている
- 4. 寄附金について理解している
- 5. 固定資産や施設整備に詳しい
- 6. 資金繰りや金融機関への対応に強い
- 7. 法人運営やガバナンスについて理解している
- 8. 行政による指導監査などを意識した管理ができる
- 9. 社会福祉法人を「専門分野」として掲げている
- 10. 社会福祉法人の税務に詳しい
- 11. 人件費や労務コストについて理解している
- 12. 新規事業や施設開設について相談できる
- 13. 社会福祉法人に強い税理士を選ぶ際の注意点
- 14. 社会福祉法人では月次で数字を見ることが重要
- 15. 社会福祉法人の規模によって必要な税理士は変わる
- 16. 社会福祉法人では税理士以外の専門家との連携も重要
- 17. 面談では具体的な質問をしてみよう
- 18. 社会福祉法人の税理士選びでは「会計+経営」の視点が重要
- 19. まとめ
社会福祉法人はなぜ税理士選びが重要なのか
社会福祉法人は、一般的な営利企業とは事業の目的や運営方法が異なります。
特別養護老人ホーム、保育所、障害福祉サービス事業所、児童福祉施設など、さまざまな福祉サービスがあり、それぞれ事業内容や収支構造も異なります。
さらに、一つの法人が複数の施設や事業を運営しているケースもあります。
そのような場合、法人全体の数字だけを見ていると、個々の事業所がどのような収支になっているのか分かりにくくなります。
例えば、法人全体では黒字であっても、
- 特定の事業所では赤字になっている
- 人件費が想定以上に増加している
- 設備修繕費が増えている
- 施設ごとに資金繰りの状況が異なる
- 新規事業への投資負担が大きくなっている
といった問題が隠れている可能性があります。
だからこそ、社会福祉法人に強い税理士には、決算書を作成するだけではなく、法人全体と各事業・施設の収支を把握し、経営改善につながる情報を提供する能力が求められます。
社会福祉法人に強い税理士に必要なスキルとは
では、実際にどのような知識や経験を持つ税理士が社会福祉法人に向いているのでしょうか。
社会福祉法人会計基準を理解している
最も重要なポイントの一つが、社会福祉法人会計に詳しいことです。
社会福祉法人には、一般企業とは異なる会計基準が適用されます。
社会福祉法人会計基準では、会計帳簿の作成だけでなく、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表、計算書類の注記、附属明細書、財産目録などについて定められています。
そのため、株式会社の会計処理に詳しい税理士であっても、社会福祉法人の会計実務に慣れているとは限りません。
社会福祉法人の場合は、一般企業の会計知識に加えて、社会福祉法人特有の勘定科目や計算書類、会計処理について理解していることが重要です。
「法人の決算は経験がある」というだけではなく、「社会福祉法人の決算や会計処理をどの程度経験しているのか」を確認しておきましょう。
福祉業界の事業構造を理解している
社会福祉法人に強い税理士を選ぶうえでは、会計だけでなく福祉事業そのものを理解しているかどうかも重要です。
例えば、介護、障害福祉、保育、児童福祉などでは、事業の内容や収入の仕組み、必要となる人員、施設運営の方法などが異なります。
経営者や理事からすると、会計上の数字だけを見て、
「人件費が高いので削減しましょう」
「この事業の利益率を上げましょう」
と単純に言われても、現場の実情を無視した提案になってしまう可能性があります。
社会福祉事業では、一定の人員配置やサービス提供体制が必要になるため、一般企業と同じ考え方だけでコスト削減を進めることはできません。
そのため、福祉サービスの現場を理解したうえで数字を分析できる税理士が理想です。
施設・事業所ごとの収支管理ができる
社会福祉法人が複数の事業を行っている場合には、法人全体だけでなく、施設・事業所ごとの収支を把握することが重要です。
例えば、一つの法人で、
- 特別養護老人ホーム
- デイサービス
- 訪問介護
- 保育所
- 障害福祉サービス
など複数の事業を行っている場合、それぞれの収入や人件費、施設費、その他の経費を確認する必要があります。
法人全体の収支が良好でも、特定の事業所で赤字が続いていれば、早めに原因を確認する必要があります。
反対に、収益性の高い事業がどこなのかを把握できれば、今後の設備投資や人員配置、新規事業の検討にも役立ちます。
そのため、社会福祉法人に強い税理士には、法人全体だけではなく、拠点・施設・事業ごとの数字を確認できる能力が求められます。
補助金や公費に関する知識を持っている
社会福祉法人では、事業内容によって国や地方自治体などからの公費や補助金などが関係することがあります。
そのため、一般企業とは異なる収入の構造について理解していることも、税理士選びのポイントになります。
補助金などについては、単純に「収入が増えた」と考えるのではなく、
「どの事業に使えるのか」
「どのような条件が付いているのか」
「会計上どのように処理するのか」
「対象となる経費は何か」
などを確認する必要があります。
また、補助金・助成制度の内容や要件はそれぞれ異なるため、制度については常に最新情報を確認する必要があります。
厚生労働省では社会福祉法人の会計基準について継続的に検討を行っており、2026年にも社会福祉法人会計基準等検討会が開催されています。
そのため、古い知識だけに頼るのではなく、最新の制度改正や通知などを継続的に確認している税理士を選ぶことが重要です。
寄附金について理解している
社会福祉法人では、寄附を受けるケースもあります。
一般企業の売上や借入金とは異なり、寄附金については、その目的や条件などを確認しながら適切に管理することが重要です。
例えば、
- 寄附の目的が指定されているか
- 施設や事業を指定した寄附なのか
- 現金による寄附なのか
- 物品による寄附なのか
- 資産に関する寄附なのか
などによって、確認すべき事項が異なる場合があります。
社会福祉法人の会計では寄附に関する処理も重要な論点となるため、一般企業の顧問経験だけではなく、社会福祉法人における寄附や資産の取り扱いについて経験のある税理士を選ぶと安心です。
固定資産や施設整備に詳しい
社会福祉法人では、施設そのものや設備など、多額の固定資産を保有することがあります。
例えば、
- 建物
- 建物附属設備
- 介護・福祉関連設備
- 車両
- 厨房設備
- 事務機器
など、さまざまな固定資産が存在します。
また、老朽化した施設の修繕や建て替え、新しい設備の導入など、まとまった支出が発生することもあります。
こうした場面では、単純に「経費になるかどうか」を考えるだけでは不十分です。
いつ、どのような目的で、どの資金を使って設備を整備するのか、その結果として法人の資金繰りがどうなるのかまで考える必要があります。
そのため、施設整備と会計・資金繰りを一体として考えられる税理士は、社会福祉法人にとって重要な存在です。
資金繰りや金融機関への対応に強い
社会福祉法人であっても、資金繰りの管理は非常に重要です。
施設の建設や大規模修繕、設備投資などでは、多額の資金が必要になることがあります。
また、人件費や施設維持費などの支出は継続的に発生します。
そのため、税理士には、
- 資金繰りの確認
- 借入金の管理
- 返済計画の確認
- 設備投資の資金計画
- 金融機関へ提出する資料の整理
などについて相談できると安心です。
特に重要なのは、「決算上の利益」と「手元資金」を別々に考えることです。
利益が出ている法人でも、大規模な設備投資や借入金返済などによって手元資金が少なくなるケースがあります。
そのため、財務諸表を見るだけではなく、将来の資金の動きを予測してくれる税理士を選ぶことが重要です。
法人運営やガバナンスについて理解している
社会福祉法人は、一般的な株式会社とは異なる法人運営の仕組みを持っています。
厚生労働省によると、社会福祉法人では評議員、評議員会、理事、理事会、監事などが法人運営に関わる仕組みとなっており、一定規模以上の法人では会計監査人の設置義務もあります。
そのため、社会福祉法人に関わる税理士には、単に経理担当者とやり取りするだけではなく、法人のガバナンスや決算に関係する機関についても一定の理解が求められます。
例えば、
「理事会に提出する資料を分かりやすくしたい」
「評議員会で財務状況を説明したい」
「監事によるチェックに備えたい」
といった相談ができれば、法人運営を進めやすくなります。
もちろん、法人運営に関する法律上の判断については、必要に応じて所管行政庁や弁護士などの専門家へ確認することも大切です。
行政による指導監査などを意識した管理ができる
社会福祉法人では、税務署だけを意識して会計処理を行えばよいというわけではありません。
社会福祉法や関係制度に基づき、法人運営や会計について行政による確認を受ける場面があります。
そのため、
- 会計帳簿が適切に整理されているか
- 証憑書類が適切に保管されているか
- 法人内の承認手続きが適切か
- 財務諸表等が適切に作成されているか
- 事業ごとの収支が適切に管理されているか
など、日頃から適切な管理体制を整えておくことが重要です。
社会福祉法人の会計実務に詳しい税理士であれば、決算時だけ帳尻を合わせるのではなく、日常の経理処理から適切な会計管理ができるよう支援してくれるでしょう。
社会福祉法人を「専門分野」として掲げている
税理士を選ぶ際には、社会福祉法人を専門分野として扱っているか確認することも大切です。
一般企業を数多く担当している税理士であっても、社会福祉法人の会計経験が豊富とは限りません。
特に確認したいのは、
- 社会福祉法人の顧問実績がある
- 社会福祉法人会計に詳しい
- 介護・障害福祉・保育などの支援経験がある
- 施設ごとの収支管理に対応できる
- 補助金・公費に関する会計処理を理解している
- 社会福祉法人の決算・申告を経験している
などです。
「公益法人や非営利法人を扱っています」というだけでなく、社会福祉法人を実際にどの程度担当してきたかまで確認するとよいでしょう。
社会福祉法人の税務に詳しい
社会福祉法人は非営利法人ですが、だからといって税務が一切必要なくなるわけではありません。
社会福祉法人が行う事業の内容や収入の種類などによって、税務上の取り扱いを検討する必要があります。
さらに、本来の社会福祉事業だけでなく、公益事業や収益事業などを行っている法人では、それぞれの事業について適切な区分や税務上の判断が必要になる場合があります。
そのため、社会福祉法人の税理士には、法人税、消費税などの一般的な税務知識に加えて、社会福祉法人特有の事業区分や会計処理への理解が求められます。
人件費や労務コストについて理解している
社会福祉法人にとって、人件費は非常に重要な経営項目の一つです。
介護、保育、障害福祉などの現場では、サービスを提供する職員が必要になるため、人件費を単純に削減すればよいというものではありません。
むしろ、
「必要な人員を確保しながらどう経営を安定させるのか」
「職員の処遇改善と法人の財務をどう両立させるのか」
「施設ごとの人員配置と収支をどう把握するのか」
といった視点が必要になります。
税理士には、給与や賞与などを会計処理するだけではなく、人件費が法人の収支にどのような影響を与えているのかを分析する能力も求められます。
また、給与計算や社会保険、労務管理などについては社会保険労務士の専門分野になるため、必要に応じて連携できる体制があると安心です。
新規事業や施設開設について相談できる
社会福祉法人が新たな福祉サービスを開始したり、新しい施設を開設したりする場合には、多額の初期費用や継続的な運営費が発生することがあります。
そのため、事業開始前に、
- 初期投資はいくら必要か
- 必要な資金をどう調達するのか
- 毎月どれくらいの費用が発生するのか
- 職員採用によって人件費がどう変化するのか
- 事業開始後の収支はどうなるのか
などを確認しておくことが重要です。
税理士に事業計画や資金計画を相談することで、数字の面から新規事業の実現可能性を検討しやすくなります。
ただし、事業の指定・認可や施設基準などについては、税理士の専門領域とは異なる場合があります。
そのため、行政機関や福祉事業に詳しい専門家と連携できる税理士事務所を選ぶことも有効です。
社会福祉法人に強い税理士を選ぶ際の注意点
社会福祉法人の税理士選びでは、一般企業の場合とは異なるポイントにも注目する必要があります。
「公益法人・非営利法人に対応」というだけで判断しない
税理士事務所のホームページに「公益法人・非営利法人対応」と書かれていても、必ずしも社会福祉法人に詳しいとは限りません。
社会福祉法人には独自の会計や法人運営のルールがあります。
そのため、
「社会福祉法人の顧問先はあるか」
「どのような福祉事業を担当しているか」
「社会福祉法人会計基準に詳しいか」
など、具体的な経験を確認することが大切です。
担当者本人の経験を確認する
税理士事務所全体として社会福祉法人を専門としていても、実際に担当するスタッフの経験が十分とは限りません。
そのため、
- 実際の担当者は誰なのか
- 社会福祉法人をどの程度担当しているか
- 決算だけでなく日常の会計も見てもらえるか
- 施設別の収支について相談できるか
などを事前に確認しておきましょう。
「税金が安くなる」だけを強調する税理士には注意する
社会福祉法人の場合、一般企業と同じように「節税」を第一に考えることが必ずしも最適とは限りません。
社会福祉法人にとって重要なのは、税負担だけではなく、福祉サービスを安定して提供できるだけの財務基盤を確保することです。
施設の修繕、人材確保、新規事業、設備投資、借入金返済など、将来的な資金需要を考えながら経営する必要があります。
そのため、単純に税負担を抑える方法を提案するだけではなく、
「今後どれだけ資金が必要になるのか」
「施設整備に備えるにはどうするのか」
「新規事業を行える余力があるのか」
などまで考えてくれる税理士を選ぶことが重要です。
料金だけで比較しない
社会福祉法人の会計は、一般的な小規模法人と比較して処理が複雑になる場合があります。
事業所や施設の数、取引量、職員数、決算の内容などによって必要な業務量も変わります。
そのため、「一番安い税理士」を探すのではなく、
- 記帳代行まで依頼するのか
- 月次監査を依頼するのか
- 決算のみ依頼するのか
- 経営相談まで行ってもらうのか
- 行政対応について相談するのか
など、自法人が必要としているサービスを整理したうえで比較することが大切です。
社会福祉法人では月次で数字を見ることが重要
社会福祉法人では、決算の時期になってから初めて財務状況を確認するのではなく、毎月の数字を確認することが重要です。
特に、
- 事業所別の収入
- 人件費
- 事業費
- 事務費
- 設備・修繕費
- 借入金返済
- 手元資金
などを継続的に把握しておくと、経営上の問題を早い段階で発見しやすくなります。
例えば、人件費が毎月少しずつ増えていても、年に一度しか決算を確認しなければ、その変化に気付きにくいかもしれません。
一方で、月次で数字を確認していれば、
「人員増加による人件費の増加」
「事業所ごとの収支悪化」
「修繕費の増加」
などを早期に把握できます。
そのため、月次で財務状況を確認し、理事や経営者が判断しやすい形で説明してくれる税理士を選ぶことが重要です。
社会福祉法人の規模によって必要な税理士は変わる
一口に社会福祉法人といっても、運営している事業や施設の規模はさまざまです。
小規模な法人と、複数の施設・事業所を運営する大規模な法人では、必要な税理士の役割も異なります。
例えば、小規模な社会福祉法人であれば、
- 日常の会計処理
- 決算・申告
- 社会福祉法人会計への対応
- 資金繰り
- 税務相談
などが中心になる場合があります。
一方で、複数の施設や事業を運営する法人では、
- 施設別・事業別の収支管理
- 月次経営分析
- 資金調達
- 施設建設・大規模修繕
- 新規事業
- 事業承継
- 組織再編
など、より高度な支援が必要になる場合があります。
そのため、「社会福祉法人に強いか」だけではなく、「自法人の規模や今後の事業展開に合っているか」も確認しましょう。
社会福祉法人では税理士以外の専門家との連携も重要
社会福祉法人の運営では、税理士だけでは解決できない問題も数多くあります。
例えば、
- 法人運営や契約などの法律問題 → 弁護士
- 給与・社会保険・労務管理 → 社会保険労務士
- 許認可や各種行政手続き → 行政書士
- 経営改善・事業計画 → 中小企業診断士など
といったように、問題によって必要な専門家は変わります。
そのため、税理士自身がすべての分野をカバーする必要はありません。
重要なのは、自分の専門分野と他の専門家の役割を理解し、必要に応じて適切な専門家と連携できることです。
特に複数の施設を運営している社会福祉法人では、税務以外にもさまざまな問題が発生しやすいため、専門家のネットワークを持っている税理士事務所は心強い存在となります。
面談では具体的な質問をしてみよう
税理士事務所のホームページを見ただけでは、実際の対応力までは分かりません。
そのため、候補となる税理士が見つかったら、実際に面談して具体的な質問をしてみることをおすすめします。
例えば、
- 社会福祉法人の顧問実績はどの程度あるか
- 介護・障害福祉・保育など、どの分野の経験が多いか
- 社会福祉法人会計基準に対応しているか
- 施設・事業所ごとの収支管理について相談できるか
- 補助金や公費に関する会計処理の経験があるか
- 施設建設や大規模修繕の資金計画を相談できるか
- 理事会や評議員会向けの財務資料について相談できるか
- 社会保険労務士や行政書士などと連携しているか
このような質問をして、具体的な経験をもとに説明してくれるかどうかを確認しましょう。
特に重要なのは、「社会福祉法人の会計ができます」という説明だけではなく、自法人の事業内容や施設運営の実態に合わせて話ができるかという点です。
社会福祉法人の税理士選びでは「会計+経営」の視点が重要
社会福祉法人にとって税理士は、決算書を作成して税務申告を行うだけの存在ではありません。
法人の財務状況を把握し、今後の施設運営や新規事業、設備投資、人材確保などについて、数字の面から経営判断を支援することも重要な役割になります。
例えば、
「この施設の収支を改善するには何が必要か」
「新しい施設を開設しても資金繰りに問題はないか」
「大規模修繕を行った場合に手元資金はどうなるか」
「今後の人件費増加にどのように備えるか」
といった問題を、財務データを使って一緒に検討できる税理士であれば、法人にとって大きな支えになります。
特に、社会福祉法人では「利益を最大化すること」だけが経営の目的ではありません。
安定して福祉サービスを提供し、必要な職員を確保し、施設を維持しながら、将来にわたって法人を運営していくための財務基盤を作ることが重要です。
だからこそ、社会福祉法人の使命と経営上の数字の両方を理解している税理士を選ぶことが大切です。
まとめ
社会福祉法人は、一般的な株式会社とは異なる会計や法人運営のルールが存在するため、税理士選びにも専門性が求められます。
特に重要なのは、社会福祉法人会計基準を理解し、福祉事業の現場や施設運営の実態まで踏まえて会計・税務を考えられることです。
また、施設・事業所ごとの収支管理、補助金や公費、寄附金、固定資産、施設整備、資金繰りなど、一般企業とは異なる論点についても経験がある税理士を選ぶとよいでしょう。
社会福祉法人には理事会、評議員会、監事などによる法人運営の仕組みもあるため、財務状況を分かりやすく整理し、法人の意思決定をサポートできる税理士も心強い存在です。
一方で、「非営利法人に強い」「公益法人に対応している」といった言葉だけで判断するのではなく、実際に社会福祉法人をどの程度担当してきたのかを確認することが大切です。
また、建物や設備、人件費、新規事業など、将来的な支出についても考えながら、現在の税金だけでなく中長期的な資金繰りまで見てもらえるか確認しておきましょう。
社会福祉法人の会計基準や関連制度については現在も見直しの検討が続いているため、最新の制度や通知を継続的に確認していることも重要です。
税理士選びでは、単に「決算・申告をしてくれる税理士」を探すのではなく、社会福祉法人の会計と福祉事業の両方を理解し、法人の財務基盤を長期的に支えてくれる税理士を選ぶことが重要です。
-
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